歯を白くするためにホワイトニングをする人が増えていますが、それと同時に、ホワイトニングに関するトラブルや不満も増えているようです。
患者様の不満としては、「イメージしていた白さと違う」「すぐに元の色に戻ってしまった」「歯がしみる」などなど。これらの不満の原因は様々で、医師の説明不足や白さの度合いに対するイメージの違い、歯の性質の違いや生活習慣の違いなど、様々なことが考えられます。
その点、上記のような心配がないのが「ラミネートベニア」です。今回は、歯の色を改善するためだけでなく、形やサイズを整えるためにも有効なラミネートベニアについて解説していきましょう。
ラミネートベニアってどんな施術?
ラミネートベニアは、歯の表面を0.5mmほど削り、その上に薄いセラミック製のシェルを貼り付ける施術です。歯の色を希望の白さにできるだけでなく、形や大きさなども手軽に調整できます。
こんなときにラミネートベニア!
歯の色を白くしたい
歯の色を好みの白さにできるのは、ラミネートベニアの大きなメリット。特に、前歯の色をきれいにするためにラミネートベニアを選ぶ人は多くいます。
ホワイトニングは歯を内側から白くする(漂白する)する施術であるため、神経が死んで黒ずんでしまった歯や、テトラサイクリン歯(歯の形成期に抗生剤を服用することで色素が沈着してしまった歯)などには効果が出ません。一方、ラミネートベニアはシェルを歯の表面に貼り付けて白くするため、上述のようなホワイトニングが効かない歯でも白くできます。また、ラミネートベニアなら色が戻る心配もありません。
歯の形を整えたい
ラミネートベニアは、歯の形態の調整にも使われます。噛み合わせに問題がないことが条件になりますが、不揃いな歯の形を整えることができます。
すきっ歯を改善したい
ラミネートベニアは、すきっ歯の改善にも最適です。隙間をつくっている2本の歯を少し大きくして隙間を埋めます。ただし、すきっ歯の程度がひどい場合には矯正治療が必要です。
軽度の歯並びの乱れを改善したい
少しの段差がある場合など、軽度の歯並びの乱れもラミネートベニアで整えることができます。ただし、不正歯列の程度がひどい場合や、全体的に歯並びがガタガタしている場合などはやはり、矯正治療が必要です。
歯を大きくしたい
生まれつき小さい歯を「矮小歯」と言いますが、この矮小歯もラミネートベニアで改善できるケースがあります。矮小歯にラミネートベニアを付けることで、他の歯と同程度の大きさにします。
中野坂上スワン歯科・矯正歯科 院長より
「ラミネートベニアはセラミッククラウンと何が違うのですか?」と聞かれることがあります。簡単に言えば、違いは「歯を削る量」です。ともに歯の色や形を整える施術ですが、セラミッククラウンは歯の周囲を大きく削ってその上に被せ物を装着します。一方で、ラミネートベニアは歯の表側だけを薄く削ってシェルを貼り付けます。前歯の色が気になる場合や、わずかな隙間が気になる場合などはラミネートベニアが最適ですが、歯の形を大きく変えたい場合などはセラミッククラウンが選ばれます。
「歯を白くしたいからラミネートベニアにしてください」という方もいらっしゃいますが、患者様の歯の状態によってはホワイトニングで十分な場合もありますし、逆にセラミッククラウンのほうが適している場合もあります。まずはカウンセリング・診断を受けてみて、「自分にはどんな施術が合っているのか」を知ることからはじめましょう。
次回の歯科コラムは、4月7日(木)の公開を予定しております。ぜひお楽しみに。