うちの子、矯正したほうがいいのかな・・・?
お子さんの歯並びに不安を感じている親御さんは少なくありません。もし不正歯列なら、矯正治療で改善したほうが良いのは言うまでもありませんが、「何のために矯正するのか?」ということを正しく説明できる親御さんはあまり多くありません。
お子さんの歯並びに不安があるのなら、まずは親御さんが「矯正」というものを正しく理解することが大切です。今回は、「矯正治療の本来の目的」についてご説明していきましょう。
何のために矯正するの?
子どもの矯正治療はなぜ必要なのか?――それは、矯正がお子さんの明るく健康な未来をつくる”土台”になるからです。多くの親御さんは「歯並びが悪いとみっともない」と、見た目を気にしてお子さんの矯正治療を検討し始めますが、見た目の改善だけが矯正の目的ではありません。矯正治療の本来の目的を、あらためて認識しておきましょう。
01 噛む機能を十分に発揮できるように
歯並びを整えるもっとも重要な目的は、歯が本来持っている「食べ物を噛んで咀嚼する」という機能を最大限に発揮できるようにすることです。歯は本来、「食べる」という目的のために存在するもの。前歯で噛み切り、奥歯ですりつぶされた食べ物が口から食道、胃腸へと運ばれ、血液や栄養となって健全なからだをつくっていくのです。歯並びが悪いためにしっかり噛めなければ、一生のうちに数え切れないほど繰り返すこの一連の流れに悪影響を及ぼします。また、子どもの頃に食べ物をしっかり噛めないと、顎や筋肉の発育が悪くなったり、だ液の分泌が促されずに虫歯になりやすくなったりと、様々な弊害が生じます。
02 正しくきれいな発音ができるように
正しい発音を手に入れることも、矯正治療の目的のひとつです。歯並びが悪いときれいに発音できないために、コミュニケーションに支障をきたすことがあります。日本語の「サ行」「タ行」「ラ行」のほか、英語の発音などが不明瞭になる傾向にあります。アナウンサーや俳優・女優、声優、ナレーター、タレントなど、話すことがメインになる職業を目指すお子さんに限らず、学校生活でも社会生活でも人とのコミュニケーションを円滑に行ううえでマイナスになってしまいます。
03 見た目の印象が良くなるように
「口元の見た目を改善するため」というのも、矯正治療の目的です。歯並びが悪いと見た目にもマイナスイメージになるのは、みなさん感じていることだと思いますが、特に子どもたちは、容姿の特徴から「出っ歯」「しゃくれ」などと呼んだり、からかったりすることがあります。言われても気にしないという子は少なく、大半の子は嫌な気持ちになり、悩んだりするものです。このようなことが続くと、学校生活が楽しくなくなり、友達付き合いに支障をきたすことも考えられます。話したり笑ったりすることが嫌になり、勉強にも遊びにも積極的になることができず、性格もだんだん暗くなってしまうものです。
中野坂上スワン歯科・矯正歯科 院長より
「噛む」という歯本来の機能を向上させ、正しい発音をサポートし、美しい口元を実現する――矯正治療の本来の目的は、お分かりいただけましたでしょうか。小さなお子さんをお持ちの方なら誰でも、「子どもには明るく健康な人生を歩んでほしい」と願っていると思います。この「明るく健康な人生」の土台は、歯並びを含む「お口の健康」であると言っても過言ではありません。お子さんの豊かな未来を願うなら、まず、お子さんの歯並びに目を向けてみてあげてくださいね。
次回の歯科コラムは、5月16日(月)の公開を予定しております。ぜひお楽しみに。